「離れていても…」
子犬との別れ


[子犬とのお別れ
−パピーウォーカーの
もう一つの大事な役目]

やがて盲導犬になるための訓練をうける子犬(パピー)を生後2ヶ月から、1歳の成犬になるまでの約1年、一般の家庭で、節度ある愛情を持って育てる、飼育ボランティア「パピーウォーカー」に必ず訪れる大事な役割りとして「子犬との別れ」があります。

これまで1年間子犬と共に過ごしてきた日々は、すでに家族の一員のような愛着があり、それゆえ子犬との別れが辛いという気持ちがあるのは、ごく自然の事だと思います。

子犬が家に来たときから綴り続けた体調管理の詳細な記録や、季節ごとにぐんぐんと成長した写真を見返したりなどすると、思い出の数だけなお離れたくないという思いは募ります。

しかし、子犬は「候補犬」であり、一刻も早く「視覚障がい者の歩行を安全にサポートするため、優秀な盲導犬になる」という一番の目的を是非ともご理解頂きたいと思います。

犬は最初の1年で成犬となり、人間でいえば18歳に成長します。犬にとって一番大切な貴重なときに、温かく迎え入れて家族同然に可愛がってくれたパピーウォーカーのことを犬はけっして、いつまでも忘れません。

離れていても、パピーウォーカーさんの思いは、犬にもちゃんと伝わっています。

愛情をかけて育てた可愛い候補犬が、盲導犬あるいはその他の補助犬として立派な働きをするために訪れた巣立ちの日・成長を心から喜んで送り出してあげる事もパピーウォーカーとしての優しさであると思います。


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