盲導犬普及支援
オリジナルポスター
2014年【秋】


[犬は"G"が、とても好き!]

盲導犬となる子犬は、生後約50日目から成犬になるまでの約1年間、一般のご家庭(ボランティア宅)で、家族の一員としてともに人と暮らし乍ら、社会のルールを身につけます。 将来盲導犬となる、候補犬を飼育するボランティアをパピーウォーカーといいます。

パピーウォーカー宅に家族の一員として迎え入れられた子犬は、おトイレや食事などの基本ルールや、人とともに過ごす時間、生活のリズムやマナーを一つずつ経験していきます。パピーウォーカーさん宅では、盲導犬になる犬だからということで、特別な訓練などは行いません。

人と過ごすことで、人間は恐怖心を与えない、また危害を加える存在ではない、人はやさしくて一緒にいると楽しいと、時間をかけ信頼の絆を築いていきます。 犬は人に褒めてもらうことをとても喜びます。

おトイレや教えたことが上手に出来たら「Good! Good!(グッド)」※1と沢山褒めてあげましょう。犬との信頼関係がより深まっていきます。



[子犬がパピーウォーカー宅で、初めて経験すること]

生まれて間もない、子犬がパピーウォーカーさん宅で、初めて経験するもっとも大きなものの一つに、日本の「四季」があります。

春には沢山の花が咲き、歩道の野花、外の庭先の花の香りにひかれてやってくる、虫など小さな動物が放つ匂いに沢山遭遇する季節。 夏は大好きな水遊びが出来る季節です。

遊んだあとは、涼しい日陰にいくと、少しひんやりとして気持ちよい風が吹きます。 秋は、金木犀(きんもくせい)や、街路樹の銀杏、公園の団栗など美味しそうな匂いのする実がお目当ての狸やリス、山に行けば冬支度をするさらに多くの動物に出会うことがあります。

冬は窓を閉めているから、外の音がだんだんに静かとなって、ハウス※2には、初めておうちに来た頃に使っていた、お気に入りの毛布がもう一枚出てくる季節。

「春夏秋冬」は、子犬が生まれて初めて経験するもので、同じ季節が巡ってくる頃は、子犬は成犬となって、違う家族の一員として生活していることでしょう。

子犬とともに過ごす最初の四季は、パピーウォーカーさんと子犬のみが共有するもので、この時期の経験がユーザーさんとの生活に活かされることとなります。

犬の成長はとても早く、最初の1年でほぼ成犬となることから、本当に貴重な時間を最初の一年で、経験させる役割を担うパピーウォーカーは、子犬の一生に関わる大切な意義あるボランティアです。

※1
ユーザーとともに生活する盲導犬への指示は、すべて英語で行われます。これは、日本語には男女の言葉の違いや方言などがあるため「座れ」「お座り」、また「いいこ」「よしよし」「よか」など、犬にとって理解し辛い号令にならないよう、英語で命令します。


※2
この場合、パピーウォーカー宅にある子犬のくつろげる場所(スペース)の意。

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