盲導犬普及支援
オリジナルポスター
2019年【春】新作完成!


【盲導犬着用のPコート(マナーコート)について】

視覚障害者の歩行をサポートしている仕事中の盲導犬に遭遇したことのある方ならば、盲導犬が装着している「ハーネス」以外に、Pコートあるいは「マナーコート」を着用しているケースを実際にご覧になったことがあると思われます。
このマナーコートは、犬の抜け毛で周囲のご迷惑とならぬように…という配慮から着用がなされており、また「盲導犬自身が汚れるのを防ぐ」といったことも考慮され、使用されています。
こういったコートは被服などの縫製が得意なボランティアさん方、「縫製ボランティア」の皆さんのご協力により、盲導犬の体躯に合わせて、1つ1つすべて手作りで製作されています。

マナーコートは↓
1)生地は厚すぎず、されど薄すぎないもの。
2)軽くて、丈夫なもの。
3)通気性・撥(はっ)水性に優れたもの。
4)トイレに支障をきたすつくりではないこと。
5)窮屈でなく、程よく躯幹部にフィットするもの。
6)安全な歩行を確保するため、地味過ぎない、識別し易い色彩であること。

など、実働する盲導犬の動き・安全性や、季節などが考慮された作りとなっています。
マナーコートの種類には A:全身を覆うタイプ(首 4つ足 尻尾を出したタイプ) B:上半身を覆うタイプ(首 前2足を出したタイプ)などがあり、雨の日に着用するレインコートスタイルや、寒い季節に特化した仕様のものもあります。

盲導犬ユーザーは、同伴する盲導犬(パートナー)の日々の健康管理(毛づくろいやシャンプー)、マナーコートの着用など、周囲の方々に配慮し、常に清潔にするなどして、目的に応じて外出するよう心がけています。



【身体障害者補助犬とは (盲導犬 聴導犬 介助犬)について】

身体障害者補助犬とは、盲導犬 聴導犬 介助犬の総称で、補助犬を同伴する体の不自由な方が、病院、公共交通機関、商業施設や店舗 宿泊施設(旅館・ホテル等)における施設等の利用において円滑化を図り、障害者の自立 及び社会参加の促進に寄与することを目的として、定められた法律を「身体障害者補助犬法」といいます。

盲導犬を「ペット」あるいは、「身近に(補助犬を同伴する障害者が)いないから解らない」また、あってはならない発言ですが「犬は犬だから」などの、誤った認識や「身体障害者補助犬」の同伴・受け入れが定められた法律自体の周知が充分でない事などで、目の不自由な方が「入店拒否」「乗車拒否」をされてしまう事例が少なからずあり、残念ながら先進国として成熟した意識向上がなされているとは言い難い側面が、未だに多く見受けられます。

来る2020年、東京オリンピック、パラリンピックでは、大会参加者及び観覧者として、諸外国からも大勢のハンディキャップのある方、サポートをするご家族や介助者、補助犬の同伴など、日本での楽しい滞在を求め 来訪する方々のご利用は充分に予想されます。日本で盲導犬が誕生して60年、3つの元号を越える長い活動の歴史があり、故に開催ホスト国・先進国として、スマートで洗練された適切なサポート 取り組みを心がけることこそ、「おもてなしの心」を長所 信条とする日本において、当然期待され、求められることとなるでしょう。

もし、盲導犬を伴ったお客様がいらしたら…?
盲導犬を受け入れる側の心構え・準備として、どのようなサポートが具体的に必要か?目の不自由な方と盲導犬の受け入れなどは、特別な設備を要するものではありません。前述の通り、盲導犬ユーザーはお出かけする際、同伴犬の事前トイレや用途に応じてマナーコートなど相応の準備をしています。あとは受け入れる側の僅かな工夫や配慮、おもいやりを持って対応下されば、特段難しいことはありませんので、是非ともご入店・ご乗車※1にご協力をお願い致します。

視覚障害者 盲導犬ユーザーご入店については、都道府県 各市・町の障害福祉窓口に、盲導犬及び身体障害者補助犬法についてのリーフレット・広報誌の提供があり、補助犬担当窓口などに相談すれば、全国にある盲導犬協会が自治会や組合、商工会、学校 企業などの要望に応じ、定期的に開催しているPR犬を派遣した「盲導犬のデモンストレーション」を見学することが可能です。

ヒアリングや講習・実習(アイマスク着用)などを通じ、専門書籍だけでは解らなかった 感じ方・考え方など実際に体験してみられることで、受け入れる側と受け入れられる側双方にとって、何が必要か?どのような障壁があるか?がさらにわかり、盲導犬を同伴する視覚障害者のご入店 ご来場のスムースな誘導・ご案内に、より自信を持って適正な対応をすることが可能となるのではないでしょうか。

盲導犬ユーザーを対象にしたアンケートでは、その実に約6割は、「入店拒否」「乗車拒否」など、これまで辛い経験をされたとの回答がなされています。目の不自由な方々の社会参加 受け入れの態勢が万全とは言い難い側面は、現在もなおあるものの、より身近な問題として盲導犬(補助犬)同伴・受け入れ(マナー向上)を社会全体で認識し、取り組み・支えて頂きたいと思います。

※1
救急車への盲導犬(補助犬)の同乗は可能です。



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